滝ケ原碧玉原産地遺跡(たきがはらへきぎょくげんさんちいせき)
遺跡のある町
滝ケ原町
おもな時代
弥生
これまでの発掘調査
なし
特徴
小松市南部の鞍掛山北辺に位置する玉作り石材「碧玉[へきぎょく]」の原産地遺跡。弥生時代から古墳時代にかけて玉(アクセサリー)や宝飾品の原材料として利用された碧玉の岩脈が広がり、石材を割った剥片[はくへん]や弥生時代後期の土器片など、石材を求めて訪れた人々の活動のあとが確認されています。こうした活動のあとが明らかになった碧玉産地は全国に無く、とても重要な遺跡です。
現在のJR小松駅付近に位置する八日市地方遺跡[ようかいちじかたいせき]では、弥生時代中期にこの滝ケ原周辺で採取された碧玉を利用して玉作りがおこなわれていて、総重量約550キログラム分の碧玉が発見されています。滝ヶ原から谷川を通じて下った先には、二子塚東田遺跡(加賀市)や額見町西遺跡、片山津玉造遺跡(加賀市)といった弥生時代後期から古墳時代前期にいたる碧玉製玉作り遺跡もあります。
また出土した碧玉製品の観察や科学分析によって、この地域の碧玉が遠方に運ばれたことも明らかになりました。特に小松から遠く九州の地へ運ばれた弥生時代中期の碧玉製管玉は貴重な鉄などと交換されていたと考えられていて、「碧の宝石」として特別な価値をもっていたようです。
遺跡の今のすがた
山林
参考になる本やサイト
- 小松市史編集委員会2020『新修小松市史 資料編17 考古』
- 小松市(小松市埋蔵文化財センター)2021『滝ヶ原碧玉原産地周辺地質解析業務報告書』
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埋蔵文化財センター
〒923-0075
小松市原町ト77番地8
電話番号: 0761-47-5713 ファクス:0761-47-5715

遺跡遠景

原石産地で確認された碧玉岩脈

八日市地方遺跡出土の碧玉製管玉(市所蔵)

片山津玉造遺跡出土の碧玉製品(加賀市/小松市立博物館所蔵)
(注意)
- 市所蔵=小松市埋蔵文化財センター蔵
- 県所蔵=石川県埋蔵文化財センター蔵
- その他=小松市立博物館等
見学可能かどうかは、各施設にお問い合わせください。
この記事に関するお問い合わせ先
埋蔵文化財センター
〒923-0075
小松市原町ト77番地8
電話番号: 0761-47-5713 ファクス:0761-47-5715
更新日:2024年05月09日