重要文化財八日市地方遺跡出土品保存修理事業

更新日:2025年02月21日

どのような修理を行うの?

修理の方法は、それぞれの材質や状況によって異なります。しかし、原則として資料に負担が掛かるような方法は使わず、修理を行った後、修理前の状態に戻すことが出来ること(これを可逆性と言います)が必要になります。それでは資料の種類ごとにどのような修理を行うのか見ていきましょう。

土器

整理作業時に使用した古い接着剤を溶かしもう一度組み立てを行う全解体修理や、失われている部分に樹脂を充填する補強、充填した箇所に違和感が生まれないように色を塗る補彩などが行われます。特に失われている部分に充填する際にも、残っている部分や類似する土器などの根拠に基づいて復元を行い、誤った復元とならないように十分な検討を行います。

木製品

いずれも整理作業を行う際に一度保存処理(乾燥による変形や破損を防ぐ処理)が実施されていますが、資料によっては処置の必要なものがあり、その状態を見ながら処置方法を慎重に判断します。問題のある部分のクリーニングや樹脂によるコーティングや注入による強化処理、一度行っている保存処理をやり直す再処理などがあります。

石製品

石製品の一部の風化しやすい性質をもっており、こうした資料を対象として石材の表面に樹脂を塗り、コーティングを行う強化処理を施します。

保存箱

安定した状態で保管を行い、また持ち運び時にも資料の危険が減少するように桐材と緩衝材を用いた保存箱を制作しています。この箱は展示の際にも利用できる形になっています。

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