松谷廃寺(まつたにはいじ)
遺跡のある町
五国寺町
おもな時代
奈良、鎌倉、室町
これまでの発掘調査
小松市:2006年、2007年、2010年~2012年
特徴
もともと白山中宮八院の一つ「松谷寺」の伝承地として知られていた場所で、その内容を確認するために部分的な発掘調査が行われました。調査によって、山あいの平坦面に仏堂と考えられる奈良時代の礎石総柱建物跡が見つかり、建物中央には「須弥壇[しゅみだん](注釈1)」が設けられていました。平安時代~鎌倉時代の白山中宮八院「松谷寺」が成立する前に築かれた古代山林寺院(注釈2)と考えられます。
またこの建物の約50メートル北には、石が積まれた塚が3基築かれ、そのうち1基から石塔の部品である相輪が出土しました。白山中宮八院の時代には、白山を仰ぎ見る祈りの場として機能していたのかもしれません。
(注釈1:須弥壇とは、仏像など最も大切な信仰の対象を置くために設けられた一段高い場所。注釈2:山林寺院とは、僧が修行や儀式をするために山地や丘陵地につくられた寺。)
遺跡の今のすがた
山林
参考になる本やサイト
- 小松市教育委員会2008『まいぶん講座フォーラム報告 加賀国府と中宮八院』
- 小松市教育委員会2010『小松市内遺跡発掘調査報告書VI』
- 望月精司2011「加賀国府周辺の古代山林寺院(石川県)」『佛教芸術』315号 毎日新聞社
- 川畑謙二2017「中宮八院と加賀白山信仰」『白山平泉寺-よみがえる宗教都市-』吉川弘文館
- 小松市埋蔵文化財センター2018『小松市内遺跡発掘調査報告書 XIII.』
- 小松市史編集委員会2020『新修小松市史 資料編17 考古』
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埋蔵文化財センター
〒923-0075
小松市原町ト77番地8
電話番号: 0761-47-5713 ファクス:0761-47-5715

奈良時代の礎石総柱建物跡

鎌倉・室町時代の塚(1号塚)

1号塚出土の相輪(市所蔵)
(注意)
- 市所蔵=小松市埋蔵文化財センター蔵
- 県所蔵=石川県埋蔵文化財センター蔵
- その他=小松市立博物館等
見学可能かどうかは、各施設にお問い合わせください。
この記事に関するお問い合わせ先
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更新日:2023年12月01日