那谷金比羅山古墳(なたこんぴらやまこふん)

更新日:2024年05月09日

遺跡のある町

那谷町

おもな時代

飛鳥

これまでの発掘調査

石川県:1983年

特徴

梯川流域のカドミウム汚染土壌改良のため、土砂採取が行われる時に発掘調査されました。古墳は丘陵斜面に1基だけ築かれています。周溝と埋葬施設が見つかり、調査によって直径約8mの円墳であることがわかりました。

周溝は最大幅2mで山側のみにめぐり、埋葬施設は組合せ式の横口式石槨[よこぐちしきせきかく]※1でした。墳丘盛土と石槨天井部は失われていましたが、石槨の壁や床は大きな凝灰岩の切石を組み合わせてつくられていました。この凝灰岩は那谷地区の丘陵から運ばれたものと考えられます。出土した須恵器や埋葬施設のつくり方から、8世紀初頭に築かれたと推定されます。

この横口式石槨は近畿地方の埋葬方法が直接伝わったもので、加賀地域には類例がありません。埋葬された人は近畿地方に深く関わりのある人物かもしれません。大変めずらしい発見であるため、石川県埋蔵文化財センターの敷地内に復元展示されています。

(※1横口式石槨とは、横穴式石室よりもせまく、内部に棺1基がおさめられる程度の広さの埋葬施設)

遺跡の今のすがた

土砂採取により消滅

参考になる本やサイト

  • 新修小松市史編集委員会2020『新修小松市史 資料編17考古』
  • 石川県立埋蔵文化財センター1989『那谷金比羅山古墳・那谷金比羅山窯跡群』

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埋蔵文化財センター

〒923-0075
小松市原町ト77番地8
電話番号: 0761-47-5713 ファクス:0761-47-5715

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関連画像

古墳全景(県調査)

古墳全景(県調査)

発掘された横口式石郭(県調査)

発掘された横口式石郭(県調査)

(注意)

  • 市所蔵=小松市埋蔵文化財センター蔵
  • 県所蔵=石川県埋蔵文化財センター蔵
  • その他=小松市立博物館等

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