林製鉄遺跡(はやしせいてついせき)

更新日:2023年12月01日

遺跡のある町

林町

おもな時代

奈良、平安

これまでの発掘調査

石川県:1988年~1989年

小松市:1989年~1992年

特徴

古代生産遺跡が密集する戸津地区を代表する丘陵地の製鉄遺跡。全面的な発掘調査によって、製鉄炉や製炭窯、排滓[はいさい]場などの施設がセットで発見され、膨大な量の排滓(注釈)から活発な生産活動がうかがわれます。また鉄の製錬だけでなく、鍛冶炉や鍛造[たんぞう]の際にできる鉄片、鍋・羽釜等の鋳造[ちゅうぞう]用の鋳型片も出土していることから、製品加工も行われていたことが明らかとなりました。科学分析によって、製鉄に使われた原料は、加賀市黒崎海岸などで採取された浜砂鉄と考えられています。

(注釈:排滓とは、鉄を製錬した際に生じた不純物)

遺跡の今のすがた

小松ドーム、道路

参考になる本やサイト

  • 石川県埋蔵文化財保存協会1993『小松市林遺跡』
  • 小松市教育委員会2003『林製鉄遺跡』
  • 小松市史編集委員会2020『新修小松市史 資料編17 考古』

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埋蔵文化財センター

〒923-0075
小松市原町ト77番地8
電話番号: 0761-47-5713 ファクス:0761-47-5715

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四角形に盛り上がった中央に大きな長方形の窪みがあり、四方に円形の穴があいている製鉄炉跡の写真

奈良時代の製鉄炉(A区1号製鉄炉、箱型炉、市調査)

地下1メートル以上掘られた中央に長方形の形をした大きな溝があり、手前に向けて溝が広がっている製炭窯跡の写真

奈良時代の製炭窯(A区1号製炭窯、市調査)

四角形の周囲に深い溝が掘られ、左下にある円形の穴の周囲に4つの部屋の窪み、中央に大きな穴がある製鉄炉跡の写真

平安時代の製鉄炉(B区2号製鉄炉、竪型炉、市調査)

傾斜のある地面に奥にかけて大きく深い溝があり、奥の深い穴の上に煙突の様なものが見受けられる製炭窯跡の写真

平安時代の製炭窯(B区2号製炭窯、市調査)

ところどころ穴が開いている左側が鋭利に尖っている大鉄塊の写真

出土した大鉄塊(B区2号製鉄炉周辺出土、県所蔵)

(注意)

  • 市所蔵=小松市埋蔵文化財センター蔵
  • 県所蔵=石川県埋蔵文化財センター蔵
  • その他=小松市立博物館等

  見学可能かどうかは、各施設にお問い合わせください。

この記事に関するお問い合わせ先

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