松梨遺跡(まつなしいせき)

更新日:2023年12月01日

遺跡のある町

松梨町、蛭川町、犬丸町

おもな時代

弥生・古墳・飛鳥・奈良・平安・鎌倉・室町

これまでの発掘調査

小松市:1994年

石川県:2016~2017年

特徴

八丁川と旧折橋川に挟まれた水田地帯に位置する集落遺跡。遺跡は松梨町、蛭川町、犬丸町の三町にまたがる広大な範囲に広がっており、犬丸小学校のプール建設や北陸新幹線の延伸工事に伴い発掘調査が行われました。

小松市によって行われた犬丸小学校の調査では、河川跡や古墳時代の井戸、飛鳥時代の掘立柱建物、奈良。平安時代の溝などが確認されています。井戸は、杉をくり抜いて作られた丸木舟が再加工され、井戸側(いどがわ ※1)として利用されていました。また、溝からは墨書土器(ぼくしょどき)を含む古代の土器がまとまって出土しました。

北陸新幹線延伸に伴う石川県の調査では、弥生時代から鎌倉・室町に渡る様々な時期の遺構が確認されています。時期ごとに変遷する居住域からは鎌倉・室町時代の建物跡や竪穴状遺構、井戸などが検出され、火葬骨を納めた墓域も確認されました。

自然の河川を挟み、時代によって集落の中心域を変えながら、人々の生活が営まれたようです。

(※1 井戸側とは、井戸がくずれないように、側壁を囲んで支えたもの)

遺跡の今のすがた

水田、学校、宅地、線路

参考になる本やサイト

小松市教育委員会1994『松梨遺跡』

岩瀬由美2017「松梨遺跡」『石川県埋蔵文化財情報』第37号 石川県埋蔵文化財センター

岩瀬由美2018「松梨遺跡」『石川県埋蔵文化財情報』第39号 石川県埋蔵文化財センター

小松市史編集委員会2020『新修小松市史 資料編17 考古』

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埋蔵文化財センター

〒923-0075
小松市原町ト77番地8
電話番号: 0761-47-5713 ファクス:0761-47-5715

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上空から見た遺跡

上空から見た遺跡(左上建物は犬丸小校舎、市調査区)

丸木舟が再利用された古墳時代の井戸

丸木舟が再利用された古墳時代の井戸(市調査)

1号溝から出土した土器

1号溝からまとまって出土した奈良・平安時代の土器(市調査)

古墳時代の井戸側

古墳時代の井戸側(市所蔵)

1号溝出土の墨書土器

1号溝出土の「仁古万呂」墨書土器(市所蔵)

(注意)

  • 市所蔵=小松市埋蔵文化財センター蔵
  • 県所蔵=石川県埋蔵文化財センター蔵
  • その他=小松市立博物館等

  見学可能かどうかは、各施設にお問い合わせください。

この記事に関するお問い合わせ先

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