河田山36号墳

更新日:2023年12月01日

河田山36号墳は、中尾根の最高所からやや北側に下った最も古墳が密集する地点に位置しており、河田山古墳群の中で最初に発掘調査が行われました。古墳は丘陵斜面にL字型に周溝をめぐらせ、山側は地山を削り出して墳丘の構築を行っています。墳丘は主軸を北東に向け、墳丘下方に向けㇵの字状に広がる方墳です。縦軸で約17メートル、横幅が山側で幅約13メートル、斜面下方で約17メートルを測ります。斜面下方から墳丘を立派に見せる意図があったと考えられます。

墳丘の頂上部には11メートル×10.5メートルほどの平坦面が作られ、2基の主体部(埋葬施設)が設けられていました。第1主体部は墳丘の中央に据えられ、掘り込まれた墓坑(木棺を据えるために設けた穴)のなかに割竹形木棺が納められたと考えられます。木棺を据える最下段は長軸約8.6メートル、最大幅1.25メートルを測り、大きな木棺が納められていたことがうかがえます。第2主体部は長さ約2.7メートル、幅約0.7メートルを測り、第1主体部の脇に造られています。

副葬品は第1主体部のみ出土しており、鉄剣、鉄刀、刀子、鉄鏃、両頭金具(弓の装飾品)、ヤリガンナ、鉄斧、鉄鎌、鍬・鋤先などの豊富な鉄製品が出土しました。また周溝や墳丘上から砥石や鍬・鋤先、複数の土師器が出土しています。土師器はかなり散らばった状態で発見されていることから、儀式に使用した後、捨てられたと考えられます。古墳の築造時期は出土品から中期前半と考えられます。

一角が段差をつけて3つの大きさの長細い穴が掘られている河田山36号墳主体部の調査時の写真

調査時の写真(36号墳主体部)

河田山36号墳より出土した鉄製品や砥石や土師器が並べられている写真

36号墳出土品

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