河田山1号墳
河田山古墳群内で最南部にあたる南尾根に所在する前方後方墳です。
昭和57~58年(1982~1983年)、金沢大学考古学研究会によって確認調査が行われました。古墳は他の尾根を含め、古墳群内で最高所に築かれています。
墳丘の全長は約25メートル、後方部長は約14メートルを測り、墳丘の主軸は尾根に沿う形で前方部を南西方向、後方部を北東方向に向けています。墳丘の構築に関しては丘陵斜面を生かした墳丘の構築が行われており、墳丘西側は、低地からの見栄えを意識したつくりになっています。 また古墳の形は、くびれ部から前方部にかけて撥(ばち)形に広がり、後方部が前方部に比べ高く造られています。こうした墳丘の特徴は古墳時代前期でも古い時期の特徴であり、河田山古墳群内で最も初期に築かれた首長の墓であると考えられます。団地造成工事の際は、保存区域に指定されており、そのままの姿で保存されています。
河田山古墳群の前期古墳は、主に尾根の頂上など、他の古墳より良い立地の場所を選んで築かれており、その下方や周囲に場所を争うように中期に築かれた円墳が連なります。こうした前期古墳が、各尾根で古墳が築造される切掛けとなった古墳であると考えられます。
令和4年(2022年)4月21日に小松市指定史跡となりました。

河田山1号墳測量図
(金沢大学考古学研究会1986に加筆)
現在の写真(1号墳前方部から後方部)
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更新日:2023年12月01日