河田山33号墳

更新日:2023年12月01日

河田山33号墳は、中尾根の中央、尾根頂上よりやや下方の斜面に築造された方墳です。墳丘は、終末期古墳によくみられる丘陵斜面を生かした築造がなされ、南西方向に向けて墳裾がややㇵの字形に開き、長軸約9.5メートル、横幅約9メートルを測ります。

埋葬施設は、凝灰岩切石積横穴式石室で、丘陵斜面をL字に掘り込んだ墓坑に、里川近辺産の凝灰岩をL字状に切組ながら築造されています。残念ながら12号墳と同様に盗掘を受けており、発掘調査時既に石室の上部は失われていました。

石室(玄室)は全長3.25メートル、奥壁幅2メートルを測り、側壁は最大で4段が残存していました。石材はブロック状におおむね大きさが揃えられ、奥壁の下段にのみ大型石材が用いられています。また上部は内側に傾斜しており、上部に向けて幅を狭め天井石を架構する構造と想定されます。開口部には仕切石が設けられ、その外部には残存長3.4メートルのㇵの字形に広がる石組をもつ前庭部が広がっています。

副葬品については残されていませんでしたが、木棺に使用したと考えられる鉄釘と鎹、7世紀後半の須恵器片が出土しています。12号墳よりやや新しい時期の築造と考えられます。また付近からは5世紀中頃の須恵器も出土しており、33号墳を築造する際にもともとあった古墳を壊して作られている可能性も考えられます。

発掘調査後に石室は解体され、資料館の建設とともに資料館内部へ移築し、積みなおしが行われました。

一部崩れてはいるが石を積み上げて、正方形の形をした河田山33号墳石室全景が写るように上空から撮影した写真

33号墳石室全景

一角が深く掘られており、その周りに石が積み上げられ、数個の石が崩れている河田山33号墳石室内部の写真

33号墳石室

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