横山家鉱山関係資料

更新日:2023年12月08日

はじめに

令和5年(2023年)3月13日、尾小屋鉱山の経営にあたった横山家の16代当主横山隆昭氏より、横山家に伝わる鉱山経営に係る貴重な資料を一括で寄附していただきました。

横山家は、江戸時代に加賀藩の家老職を務めた加賀八家のひとつで、明治10年代初頭から尾小屋鉱山の経営を始め、尾小屋鉱山の名を全国にとどろかせる立役者となった家系です。横山家による鉱山経営は、明治12年(1879年)に政和、隆和、隆興らが試掘を行った事に始まります。同14年(1881年)には尾小屋鉱山の鉱業権を積極的に取得しはじめ、同15年(1882年)に尾小屋の鉱業権をすべて掌握し隆平が単独で所有する形となり、組織は「隆宝館」と命名されました。当初は経営が困難な状況が続きましたが、同18年(1885年)末に苦境を脱するために鉱区拡大などの対策を計画し、翌19年(1886年)、富鉱脈が発見されると出銅量が増加し、経営は好転しました。その後も鉱区拡大・出銅量の増大を続け、さらに平金鉱山など他の鉱山の合併をも行い、横山家の鉱山経営は大きく発展していきました。

寄贈された資料は、こうした、横山家による鉱山経営の始まりから発展・拡張に至ったようすが窺える、鉱区の測量図、鉱業特許証などの公文書や、地権者との契約関係書類など、明治10年代から40年頃までの貴重な資料群です。尾小屋鉱山資料館の資料充実、歴史解明にとり、極めて重要なものです。

また、横山隆昭氏からはこれまでにも、尾小屋鉱山にまつわる写真資料や尾小屋鉱山で採取された鉱石標本など貴重な資料の寄贈を受けています。

寄贈資料は、すでに展示しているものも含め、調査研究を進め、その成果を展示や刊行物等で紹介していくとともに、ホームページ上でご紹介して参ります。

横山隆平肖像ほか追加寄贈資料と大礼服などを初公開しました

展示風景。左は横山隆平着用大礼服、中央は横山隆平肖像

展示風景。左は「横山隆平着用大礼服」、中央は「横山隆平肖像」

【2023年9月23日】

この下の記事でご紹介したとおり、本年3月に寄贈された資料に追加して、「横山隆平肖像」(明治27年、早田三四郎画、油彩)や、隆平・恒夫妻の書いた短冊、尾小屋鉱山役員写真などを横山家16代当主隆昭氏より寄贈いただきました。

これらとともに、「横山隆平着用大礼服」「横山隆平着用帽子」(ともに同氏より寄託)を、2階展示室で初公開し、尾小屋鉱山を全国有数の銅山に育てた横山隆平の姿をご紹介しています。

横山隆平肖像ほか追加の寄贈を受けました

横山隆平肖像(明治27年、早田三四郎画)

「横山隆平肖像」(早田三四郎画)

【2023年9月15日】

本年3月13日に横山家16代当主隆昭氏より寄贈を受けた資料は、尾小屋鉱山の経営及び平金鉱山など横山家が経営した鉱山に係る許認可や契約関係おy美社内の記録などの文書や図面類です。

対して今回寄贈を受けた資料は、横山家で最初に鉱山経営に乗り出した横山隆平の人物像に迫る資料群です。

横山隆平は江戸時代末期の弘化2年(1845)生まれ、12代隆貴(たかおき)の嫡男で、安政5年(1858)に家督を相続し(=横山家13代当主となる)、文久2年(1862)に加賀藩の年寄に就き、まもなくして明治維新を迎えました。

明治に入り版籍奉還・廃藩置県が行われると、自ら金融・鉱業を興すことを決意しました。明治12年(1879)には分家で叔父の隆興・隆和らと苟完社を設立、同13年(1880)には尾小屋鉱山の採掘を始めた吉田八百松らに資金を貸し付け、翌年、吉田らから尾小屋鉱山の経営権を買い取りました(=尾小屋鉱山が横山家の単独経営となる)。その後、尾小屋鉱山を全国有数の銅山に育てたほか、平金鉱山など各地の鉱山も経営しました。明治33年(1900)には男爵の位を受けました。

横山隆平は、実業家として知られていますが、加賀八家を務める家柄の当主にふさわしい教養(絵画や詩歌を含む芸術文化)を身に付けており、忙しい仕事の合間を縫って作画や詠歌に取り組みました。

この度寄贈されたのは、「横山隆平肖像」、隆平・恒夫妻の手による「短冊」など、隆平の人物像を垣間見ることができる資料群です。

写真の「横山隆平肖像」は、明治27年に早田三四郎によって描かれた油彩の肖像画です。

早田三四郎は、加賀八家のひとつ前田土佐守家に仕える士族・早田保明の四男として明治5年(1872)に生まれました。青山観水に入門して南画を学び、同19年(1886)に石川県専門学校に入学し、さらに同23年(1890)に上京し五姓田義松・小山正太郎らから洋画の指導を受け、洋画家として歩み始めました。同26年(1893)帰郷し、専業の洋画家として活躍しました(=学校教師などの副業をせず画業だけで暮らしをたてた県内第1号のプロの洋画家)。彼はさらにアメリカに渡りホプキンス美術学校で学び、各地で個展を開催するなど活躍しました。その後ヨーロッパに渡り、背景画を多数手がけたほか、多くの弟子を指導するなど、大いに活躍しました。足かけ13年に及ぶ欧米生活の後、大正2年(1913)に帰国し、背景画の大家として内外の博覧会などで数多くの背景画を制作しました。しかし、第二次世界大戦時、作品を納めた建物が被災し、また市ヶ谷のアトリエも焼失したため、多くの作品が失われてしまいました。その意味でもこの肖像画は貴重なものと言えます。

寄贈資料の一部の紹介を始めました

横山家から寄贈受けた株券、譲渡約定証、鉱業特許証などの一部がショーケース内に並べられ展示されている写真

お披露目展示の様子(一部)

【2023年3月25日】

寄贈を受けた資料の一部のお披露目を、冬期休館明けの3月25日より2階展示室で行っています。今回の展示は、株券、讓渡約定証、鉱業特許証など、この資料群の歴史的価値が非常に高いことが伝わりやすいものを選んでいます。資料それぞれの内容についての紹介等は、改めて別の機会を設ける予定です。

寄附に係る感謝状贈呈式

市長室で宮橋市長と額に入った感謝状を両手で持った横山隆昭氏が並んで立っている贈呈式の様子の写真

感謝状贈呈式。右=横山隆昭氏、左=小松市長宮橋勝栄

【2023年3月13日】

午前10時より、寄附に係る感謝状贈呈式が小松市役所市長室で執り行われました。

宮橋勝栄小松市長より横山隆昭氏に感謝状が贈呈され、続いて市長より感謝の言葉をお伝えし、横山隆昭氏よりご挨拶をいただきました。

尾小屋鉱山資料館基本情報

所在地

石川県小松市尾小屋町カ1-1

開館時間

午前9時から午後5時(ただし、入館は午後4時30分まで)

入館料

入館料には、「石川県立尾小屋鉱山資料館」「尾小屋マインロード」の両方の観覧が含まれます。

一般:個人500円、団体(20名以上)400円

高校生以下無料、小松市内在住の65歳以上無料

障がい者手帳、その付き添い(1名)無料

こまつミュージアム・パス(10日券、年間券)使えます

各種割引あります

休館日

長期休館期間があるため、ご注意ください。

  • 3月25日から11月30日まで…毎週水曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日(土曜日、日曜日、祝日の場合は開館)
  • 12月1日から翌年3月24日まで…休館(冬期休館につき、尾小屋マインロードも閉鎖)

お問い合わせ

  • 電話…0761-67-1122
  • ファクス…0761-67-1122