儀礼に奉仕する女性

巫女(みこ)の古墳島田を真横にした表現で、いわゆる稚児髷(ちごまげ)に似ています。こうした髪型の人物埴輪は例が乏しく、巫女とは役割の異なる女性と考えられます。一人は胸に勾玉(まがたま)を、もう一人は腰に小さな刀(刀子(とうす))をつけています。刀子をもつ人物の衣裾(ころもすそ)には鋸歯(きょし)状の線刻(せんこく)模様が描かれています。玉や刀剣は、鏡とともに神聖な道具の一つであり、巫女に従うかたちで儀式の中で大切な役割を担っていたのではないでしょうか。
挙げた手の所作は不明ですが、食物を盛る器(うつわ)を捧(ささ)げ持っている例が知られています。舞踊(ぶよう)の一場面かもしれません。

刀子を佩びる人
- 指定番号:女子像3
- 報告書記載番号:人4
- 全高:76.6センチメートル
- 欠失部:顔面一部、右上腕部、左手、腰部、刀子刀身部側
- 特記:挙げた左腕に腕輪の剥落痕あり。正面腰下に刀子状の貼り付けあり。衣裾に鋸歯状の文様あり。

勾玉をつける人
- 指定番号:女子像4
- 報告書記載番号:人5
- 復元高:67.6センチメートル
- 欠失部:髷一部、両腕、衣裾大半、基台大半
- 特記:両目下に縦線刻あり。胸部に勾玉1つ貼り付けあり。
勾玉をつける人 顔面拡大
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更新日:2023年12月01日