儀式をつかさどる巫女

この二人の人物には特殊な衣装が表現されています。片側の脇(わき)はU字形の袋状で、反対側は2枚の鰭(ひれ)のような表現です。これは、1枚の幅広で長い布を片方の脇から反対側の肩へと斜めにまわして結んだ袈裟(けさ)と考えられています。また、髪型も独特で、束ねた髪を前後で折り返し、中央をリボンで結んでいます。島田髷(しまだまげ)に似ていることから、古墳島田とも呼ばれています。
このような服装と髪型の人物は、神聖な儀式をつかさどる巫女(みこ)と考えられています。両手を前に差し出す祈りの姿は、柏手(かしわで)を打つ、あるいは、何かを捧げ持つポーズともいわれています。
襷掛け袈裟衣の女子

- 指定番号:女子像1
- 報告書記載番号:人1
- 全高:77.2センチメートル
- 欠失部:両腕一部、両手指先、髷一部、胴一部、袈裟衣一部、基台一部
- 特記:両腕を前に差し出し、正面で手を合わせる。服装や髪形から巫女と考えられる。鼻から両頬へ「ハ」の字に開く線刻あり。
襷掛け袈裟衣の女子 顔面拡大
袈裟衣の女子

- 指定番号:女子像2
- 報告書記載番号:人2
- 復元高:67.5センチメートル
- 欠失部:胴・衣裾一部、髷全欠、基台全欠
- 特記:女子像1にある襷掛け紐の表現がない。髪形は髷が欠失するが、服装の表現から巫女と考えられる。
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更新日:2023年12月01日