儀式をつかさどる巫女

更新日:2023年12月01日

髷を結い、両手を前に差出し何かを捧げ持つような袈裟を着た巫女のイメージイラスト画

 この二人の人物には特殊な衣装が表現されています。片側の脇(わき)はU字形の袋状で、反対側は2枚の鰭(ひれ)のような表現です。これは、1枚の幅広で長い布を片方の脇から反対側の肩へと斜めにまわして結んだ袈裟(けさ)と考えられています。また、髪型も独特で、束ねた髪を前後で折り返し、中央をリボンで結んでいます。島田髷(しまだまげ)に似ていることから、古墳島田とも呼ばれています。
 このような服装と髪型の人物は、神聖な儀式をつかさどる巫女(みこ)と考えられています。両手を前に差し出す祈りの姿は、柏手(かしわで)を打つ、あるいは、何かを捧げ持つポーズともいわれています。

襷掛け袈裟衣の女子

髷を結い、両手を前に差出し、正面で手を合わせたポーズの、袈裟姿の巫女と考えられる赤茶色の埴輪の写真
  • 指定番号:女子像1
  • 報告書記載番号:人1
  • 全高:77.2センチメートル
  • 欠失部:両腕一部、両手指先、髷一部、胴一部、袈裟衣一部、基台一部
  • 特記:両腕を前に差し出し、正面で手を合わせる。服装や髪形から巫女と考えられる。鼻から両頬へ「ハ」の字に開く線刻あり。

鼻から両頬へ漢字の「ハ」の様に開く線が刻まれた埴輪の顔面アップ写真

襷掛け袈裟衣の女子 顔面拡大

袈裟衣の女子

両手を前に出し、手のひらを合わせる様なポーズをした袈裟衣の巫女と考えられる赤茶色の埴輪の写真
  • 指定番号:女子像2
  • 報告書記載番号:人2
  • 復元高:67.5センチメートル
  • 欠失部:胴・衣裾一部、髷全欠、基台全欠
  • 特記:女子像1にある襷掛け紐の表現がない。髪形は髷が欠失するが、服装の表現から巫女と考えられる。

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