発掘現場の紹介(平成20年度)
平成20年度の発掘調査・確認調査の概要を紹介します。
- 薬師遺跡
- ニツ梨グミノキバラ古窯跡群
- 松谷寺跡
- 八幡遺跡
- ニツ梨豆岡向山古窯跡群
薬師遺跡の発掘調査
遺跡の所在地
調査期間
平成20年5月19日~6月4日
発掘調査面積
65平方メートル
遺跡の時代
古代
調査の概要
当遺跡は、現在の矢崎町にあたる、白山と木場潟を望む月津台地の北東部に位置し、飛鳥時代から平安時代にかけて営まれた集落跡です。
今回の調査は、前年度調査の南西側に隣接する区域で実施しました。住宅の駐車場部分のみの非常に狭い範囲の調査でしたが、掘立柱建物跡1棟が発見されました。

ニツ梨グミノキバラ古窯跡群の発掘調査
遺跡の所在地
調査期間
平成20年5月12日~6月20日
発掘調査面積
690平方メートル
遺跡の時代
古代
調査の概要
当窯跡群は、二ツ梨豆岡向山古窯跡群から南側に延びた丘陵南側斜面に位置しています。
今回の調査では、土器の原料となる粘土を採取した巨大な穴が発見されました。最深部で深さ1.6メートルを測り、調査区の区域外に広がっていることが確認されました。区域外の部分は次年度に調査を実施する予定で、この穴がさらに大きく、深いものであることが予想されます。

松谷寺跡の確認調査
遺跡の所在地
調査期間
平成20年5月28日~8月19日
調査対象面積
約4000平方メートル
遺跡の時代
古代
調査の概要
平成18年度より実施している確認調査は、今回で3年目となります。当初は、中宮八院の一つ「松谷寺」の確認を目的としていましたが、これまでの調査では、平坦面で8世紀前半の山林寺院跡と考えられる礎石建物跡が発見されています。
今回の調査は、西側にあるもう一つの平坦面で、新たな建物跡を想定して実施し、建物跡の可能性がある区域を3カ所発見しました。しかしながら、礎石と思われる石の残りが悪く、建物跡と確定するには至りませんでした。

八幡遺跡の発掘調査
遺跡の所在地
調査期間
平成20年10月13日~12月24日
発掘調査面積
467平方メートル
遺跡の時代
弥生時代~近世
調査の概要
当遺跡は、弥生時代後期から江戸時代まで、各時代の遺跡が重なり合って見つかっています。
今回の調査では、弥生時代後期~終末期の竪穴住居跡が2棟、室町時代の火葬骨を納めたお墓などが発見されました。また、古墳時代の前方後円墳である八幡6号墳が所在し、この周溝の一部も調査しました。



ニツ梨豆岡向山古窯跡群の発掘調査
遺跡の所在地
調査期間
平成20年9月1日~平成21年3月18日
発掘調査面積
487平方メートル
遺跡の時代
古代
遺跡の概要
当窯跡群は、小松市二ツ梨町地内、小松市南部の低丘陵末端部に位置します。小松市南部には北陸最大規模の「南加賀窯跡群」が存在しており、その数は400基程と考えられています。当窯跡群はその一支群にあたります。
現在実施中の発掘調査は平成17年度より開始しており、今回で4年目になります。今回の調査では5・6号の2基の窯跡を調査し、5号窯は10世紀前半、6号窯は9世紀後半~末に操業されたことがわかりました。両窯とも非常に良好な状態で残っており、窯構造を知る上で貴重な調査となりました。


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更新日:2023年12月01日