勧進帳のふるさと

更新日:2023年12月01日

「勧進帳」の舞台 安宅の関

小松市西部、梯川河口に位置する港町・安宅。安宅住吉神社には、黒松林の中に安宅の関があったことを示す石碑がひそやかに立っています。

安宅の関は、歌舞伎「勧進帳」の中で、兄・頼朝の追及の手を逃れ奥州に向かう義経一行の前に立ちはだかった関として知られています。

石造りの舞台の上に建てられた、左から、源義経、武蔵坊弁慶、富樫泰家の銅像の写真
静かな松林の中にたてられている、勧進帳の舞台、安宅の関跡の碑の写真
水平線の向こうに沈む夕日と、安宅の関入り口と1本の木が影となって写っている写真

弁慶、富樫、義経が織りなすヒューマンストーリー

平氏打倒に功績のあった源義経が、兄頼朝と不仲になり追われる身となります。義経一行は山伏姿に変装し、弁慶をはじめ、わずかな家来を連れて奥州平泉へと北陸路を急ぎます。

その途中、加賀の国「安宅の関」に差しかかった一行は、そこで頼朝から追捕の命を受けて待ち受ける関守富樫に見とがめられ、関所は緊迫の事態に。力で通ろうとする四天王を制しつつ、知力の限りを尽くしその場を切り抜けようとする弁慶。金剛杖で打ってまで主人をかばう弁慶の忠誠心に感銘を受けた富樫は、それと知りつつ一行の通行を許します。

弁慶、義経、そして富樫の3者がおりなす「智・仁・勇」の感動の物語。「ついに泣かぬ弁慶も、一期の涙ぞ殊勝なる、判官御手を取り給い…」と綴られた物語は、800年もの時を越えて、今もなお日本人の心をつかんで離しません。

「勧進帳のふるさと」を全国に発信

全国に小松の子供歌舞伎と、勧進帳のふるさとの魅力を発信しようと、平成11年から開催しているのが「全国子供歌舞伎フェスティバルin小松」です。

日本各地の代表的な子供歌舞伎を招き、地元小松の子供たちと競演します。

小松の演題は「歌舞伎十八番の内 勧進帳」。毎年、役者は公募で選ばれ、また長唄・囃子方連中も地元の小・中・高校生などで構成しています。子供たちの熱演が観客の熱い涙を誘い、会場は大きな感動に包まれます。

また、伝統文化の理解を深め継承していくために、市内の中学校では昭和61年から「中学校古典教室」を実施しています。毎年、持ち回りで1校が「勧進帳」を上演するというもので、役者はもちろん、着付けや化粧、大道具・小道具などの裏方、公演パンフレットづくりまで、すべてを生徒たちの手で行っています。

(注意)「中学校古典教室」の詳しいことについては小松市教育委員会学校教育課 電話(0761)24-8122 までお問い合わせください。

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